映画トラベラー村山が、あの映画ロケ地に勝手に強行取材! 「ことりっぷJALくらぶアプリ」(http://co-trip.jp/appli/info.html)で掲載中の映画ロケ地紀行「あの映画の名場面を訪ねて」が、ビデオパスブログでも連載中。さて今日はどこへ行ってみた!?
TEXT by/村山章
長崎 『横道世之介』
観る者すべてが温かな幸福感に包まれる、感動傑作の誕生!横道世之介(高良健吾)は大学進学のために上京したばかりの18歳。お嬢様育ちのガールフレンドの与謝野祥子(吉高由里子)をはじめ、世之介と彼に関わった人々が過ごす青春時代。16年後、世之介に起こった出来事から、愛しい日々と優しい記憶の数々が鮮やかにそれぞれの心に響きだす…。
世之介と元カノのさくらが歩いたながいい階段
(劇中では)世之介の実家へと続く階段。実際には古いお寺の参道。
『横道世之介』の長崎めぐり最終回。『横道世之介』に東京でも長崎でも坂のある町が象徴的に登場するが、長崎のシーンでとりわけ印象を残すのが石造りのながーい階段。帰省した世之介が荷物を持って登って行ったり、亡くなった祖母のお焼香に来てくれた元カノのさくらと一緒に下ったりしていた階段である。
場所は長崎近郊のちょっとしたリゾート島になっている伊王島にほど近い香焼町。円福寺というお寺へと続く参道になっている。まっすぐと続く姿が美しいが、近づいてみると石はすり減り、ところどころ崩れかけたりして、歴史の重みが刻み込まれているよう。最初は緩やかなのだが、途中からどんどん急こう配になっていく、なかなか侮れない階段でもあるが、高台から見下ろす海の景色は気持ちよく、決して後悔はしないはず。
さらに言えば、階段を上がり切ったところに待ち構える円福寺をゴールと思っていると、円福寺を突っ切ってさらに上へと階段が続いており、こうなったらとことん行ってやると最後まで登ってみた。が、最終的には山中の広場にご本尊がいなくなった小さな石の祠がひとつあっただけで、自分のように酔狂な方でなければそこまでがんばらなくてもいいと思います。行ったは行ったで面白かったですけどね。
【実際の地図上で確認!】https://goo.gl/maps/WrnKL
階段の登り口。まだこの辺りはこう配もゆるやか。
世之介とさくらが歩いていた辺り。
階段の上部はとにかく級で、手すりが腐食して曲がりくねっている。
とりあえずのゴール円福寺。境内に入ると裏山をさらに登っていくかなりワイルドな階段になります。
階段から香焼の町を見下ろす。長崎には山が海を抱くような優しい景色が多い。