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映画トラベラー村山が、あの映画ロケ地に勝手に強行取材! 毎月、雑誌「DVD&ブルーレイVISION」(毎月20日発売)で掲載中の世界映画ロケ地紀行「行ってみたタイムズ」が、ビデオパスブログでも連載中。これまで行ってきたロケ地も順次下のカテゴリー欄にアーカイブ! さて今日はどこへ行ってみた!?

TEXT by/村山章

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ビッグ・フィッシュ
ティム・バートンが贈る、心に残る感動作。「人生のストーリー」というお伽話で、みんなを楽しませ、幸せな気分にさせたエドワード。しかし、一人息子のウィルは父の話が嫌いだった。そんなある日、患っていたエドワードの容態が悪化し、実家に戻ったウィルは、残された時間があとわずかだと告げられる。

エドの熱烈アタックの舞台、プロポーズした大学はココ

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モンゴメリー市内にあるハンティンドン大学(Hantingdon Collage)。キャンパス北側の正面ゲート。

『ビッグ・フィッシュ』で、主人公エドはサーカスで出会った少女にひと目惚れ。3年間サーカスで働くことで、団長から彼女の名前を聞き出す。少女の名前はサンドラ・テンプルトン。オーバーン大学の寮にいると知り、颯爽とプロポーズに向かうのだが、サンドラにはすでに婚約者が……。

エドがあの手この手でプロポーズを繰り返す舞台になったのが、アラバマ州に実在するオーバーン大学のキャンパス、ではなく、アラバマ第二の都市モンゴメリーにあるハンティンドン大学。創設1854年、レンガ造りの由緒ある建物が点在し、“アメリカ合衆国国家歴史登録財”という文化遺産認定されているミッション系の名門だという。

周囲は住宅街なのに、キャンパス内は自然豊かで池があって、美しい公園のよう。ところが駐車場でレンタカーを降りたとたんに、警備員が近づいてきた。
「なにしに来たんだ?」
「ここ『ビッグ・フィッシュ』のロケ地ですよね? 写真撮っていいですか?」
「そうだけど、許可は?」
「通りすがりなんでないです」
「ここは私有地だからダメだよ、ちょっと待って、責任者に訊いてみるから」

結論まで端折ると、責任者という女性と電話越しに話したけれどダメですという答え。警備員は「決まりだからな」と肩をすくめるも、一緒にいた用務員らしきスタッフ2人が「誰も止めねえよ、黙って勝手に撮って行けよ!」と言って去って行った。

「オレが見てる限りはダメだ」と無言でアピールする警備員と別れて、一回キャンパスを出て正面ゲートに回ってみた。正面ゲートなら来客の車も入ってくるだろうし、ジョギングしている近所のひとだっている。さっきの警備員にさえ出くわさなければ、ちょろっと歩くくらいできるだろう、と思ったら、拍子抜けするくらい誰にも咎められずに、キャンパス見学できてしまいました。部外者はダメだと言われるかも知れませんが、おそらく誰でも入れると思います。保証はできませんけれども。

【実際の地図上で確認!】https://goo.gl/maps/0tDd9

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入口には創立1854年と書いてあるので、今年で160周年。創立当初は女子大で「Woman’s Collage of Alabama」という名前だった時代も(現在は共学)

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同じようなレンガ造りの建物が並んでいる中、なんとなく見覚えのある建物を発見!

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MIRIAM JACKSON HOUSEと名付けられているこの建物は、女子大生だったサンドラが暮らしていた寮として登場。エドが立った玄関の階段は、バリアフリー化されたスロープになっている。

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MIRIAM JACKSON HOUSE前の芝生。劇中では見渡す限りのラッパスイセンが敷き詰められて、エドがロマンチックなプロポーズをするシーンが撮影された。大量のラッパスイセンは実際に持ち込まれたもので、CGは使っていない。ちなみにラッパスイセンはヒロイン・サンドラのお気に入りの花。

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MIRIAM JACKSON HOUSE前から見た大学のメイン棟。建物の反対側に回ると違うシーンのロケ地が。

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大学のメイン棟。屋根の上にそびえる尖塔の右側の空が、エドワードが飛行機雲で「I LOVE SANDRA」と描いた辺り。

※ビデオパスFacebookで連載されていた記事となります。