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映画トラベラー村山が、あの映画ロケ地に勝手に強行取材! 毎月、雑誌「DVD&ブルーレイVISION」(毎月20日発売)で掲載中の世界映画ロケ地紀行「行ってみたタイムズ」が、ビデオパスブログでも連載中。これまで行ってきたロケ地も順次下のカテゴリー欄にアーカイブ! さて今日はどこへ行ってみた!?

TEXT by/村山章

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主人公は僕だった

自分の人生に、奇跡のラストシーンが綴られるとしたら…。毎日が変わり映えしない生活を送っていたハロルドに、ある日突然、“女性の声”がどこからともなく聴こえてくる!?その声はまるで自分が小説の主人公かのような同時進行で描写する。どこまでも追ってくるその声は突如「ハロルドは直に死ぬ」と。

ハロルドの職場はピカソのアートの真ん前

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デイリー・プラザ。左に見えるビルが元シカゴ市長の名前にちなんだリチャード・J・デイリー・センター。この広場を、公衆電話を探してハロルドが駆け抜けたが、実際にはお爺ちゃんが話し中だった電話ボックスはない。

『主人公は僕だった』めぐりの第四回は、自分の人生を執筆している小説家、カレンの存在に気づいたハワードが、カレンの電話番号を突き止めて「どうか僕を殺さないで!」と連絡しようと公衆電話を探して走ったダウンタウンの広場を探訪。

シカゴのダウンタウンにはいくつか広場があって、同じような高層ビルに囲まれているためなかなか判別が難しい。しかし映画のシーンを観直すと、なんだか奇妙な鉄のオブジェのようなものが映ってる。そこで道行くひとに声をかけ、iPad miniの画面を見せて「この場所、わかりませんか?」と訊いてみた。

知らないと言われたり、間違った場所だったりしたけれど、何人目かのオジサンがひと目見て「ああ、ピカソのオブジェだな、デイリー・プラザに行ってごらん」と教えてくれた。鉄のオブジェがなんだかわからなかったのも当たり前。作者がピカソだったんだから、凡人の自分が画面の端っこにチラリと映った物体を見て、それが何なのか言い当てられるわけがない。

とはいえこの鉄の彫刻は、ダウンタウンのど真ん中にあるシカゴ名物だそうで、ちゃんとガイドブックでも読んでおけば早々に見つかったはず。広場に面してループ地区で最初に建てられた現代建築というリチャード・J・デイリー・センターのビルが建っていて、劇中ではハロルドの職場になっていた。

【実際の地図上で確認!】https://goo.gl/maps/vxllq

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デイリー・プラザの目印になるのがピカソの鉄の彫刻。子供とその母親がのぼって遊んでいて、わりと大切に扱わなくてもよさそう。

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デイリー・プラザにある独立戦争からの戦没者の慰霊碑として燃え続ける炎。9月なのに異常に寒い日で、鳩が温まろうと集まっていた。

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地下鉄CTAのワシントン駅に続く階段。広場の電話が使えなかったため、ハロルドがココを駆け下りた。

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ハロルドのマネをして駆け下りてみました。

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ハロルドがやっと公衆電話を見つけた地下のコンコース。実際にはワシントン駅ではなく、二駅南のジャクソン駅の構内にある、レッド線とブルー線を繋ぐ通路。映画ではど真ん中に公衆電話があったが、これも実際にはない。


※ビデオパスFacebookで連載されていた記事となります。