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映画トラベラー村山が、あの映画ロケ地に勝手に強行取材! 毎月、雑誌「DVD&ブルーレイVISION」(毎月20日発売)で掲載中の世界映画ロケ地紀行「行ってみたタイムズ」が、ビデオパスブログでも連載中。これまで行ってきたロケ地も順次下のカテゴリー欄にアーカイブ! さて今日はどこへ行ってみた!?

TEXT by/村山章

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主人公は僕だった

自分の人生に、奇跡のラストシーンが綴られるとしたら…。毎日が変わり映えしない生活を送っていたハロルドに、ある日突然、“女性の声”がどこからともなく聴こえてくる!?その声はまるで自分が小説の主人公かのような同時進行で描写する。どこまでも追ってくるその声は突如「ハロルドは直に死ぬ」と。

正確無比な男ハワード・クリックの通勤ルート

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ダウンタウンの南にある巨大コンベンションセンター、
マコ―ミック・プレイスのさらに南に伸びるマーティン・ルーサー・キング・ドライブの
26thから31st Streetの間に、映画でも印象的に映る高層マンション群が建ち並ぶ。

『俺たちニュースキャスター』などのコメディスター、ウィル・フェレル扮する国税庁のマジメ職員が、ある日突然聞こえてきた“作者”の声に「もうすぐ死ぬ」と告げられてしまうヒューマンコメディ『主人公は僕だった』。しかも同じ街に、自分が主人公の小説を書いている“作者”が暮らしているという摩訶不思議な世界観に惹き込まれる“世にも奇妙な物語”でもある。

映画のロケが行われたのは全米第三の大都市シカゴ。『ダークナイト』『マン・オブ・スティール』『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』など超大作が数多く撮影されている街だが、『主人公は僕だった』では敢えて没個性ともいえる無機質な景色を切り取ることで、地味に規則正しい生活を繰り返す主人公ハワード・クリックの性格を象徴してみせた。もちろんこれは映画だから、単調だった毎日はある日突然ひっくり返ってしまうのだけれど。

そんなハワードが毎朝歩く通勤ルートがココ。自宅からバス停まで、毎日毎日同じ歩数を数えているハワードだったが、頼みの腕時計が一瞬だけ故障したせいで、人生そのものが激変してしまう……。

と、そんなストーリーの背景としてピッタリな、判を押したように同じ形の集合住宅が並んでいるわけだが、実は映画とは大きく違うことがある。ダウンタウンの南に位置するこの界隈は、ほぼ黒人系ばかりが暮らすエリア。真っ昼間に治安の悪さを感じたりはしなかったけれど、ハワードみたいな保守的な白人はあまり住んでいないようでした。

【実際の地図上で確認!】https://goo.gl/maps/631Ur

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無個性なようでほんのりお洒落なデザイン性の高い外観が映画の世界観にピッタリ。

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映画と同じように、ハワードが通ったルートを走ってみました。


※ビデオパスFacebookで連載されていた記事となります。